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売却から考える収益物件の減価償却費

収益物件売却の観点からの減価償却費の考え方

収益物件の減価償却

不動産投資のメリットのひとつに、節税効果があります。その一助となるのが、収益物件の減価償却費です。

減価償却費は、不動産投資の経費のなかで大きなウェイトを占めますが、その一方で、収益物件の築年数が古くなるほどだんだん少なくなっていき、節税効果は薄くなっていきます。

ここでは、売却のタイミングについて減価償却費を踏まえて検討していきたいと思います。

不動産における減価償却費の計算

確定申告の際に、毎年減価償却費の計算をされている方であればご存じでしょうが、ここで改めて減価償却費の計算方法について説明します。

減価償却費は、「取得した建物の価格(土地は含まない)」と「耐用年数に応じた償却率」を用いて計算され、以下の公式で求められます。

減価償却費の額=取得した建物の価格×耐用年数に応じた償却率

取得した建物の価格は、売買契約書に土地と分けて明記されている場合もありますが、これが明記されていない場合は、固定資産税評価額から按分して求めることもできます。

償却率は、国税庁が公表する「減価償却資産の償却率表」でわかります。償却率表は、確定申告の資料にも掲載されていますし、国税庁のホームページでも確認できます。

収益物件の減価償却期間について

収益物件の減価償却期間は、物件の構造や用途によって異なり、国税庁が公表する「不動産の法定耐用年数」によって定められています。

以下に、新築の住宅用の物件に関する法定耐用年数を記載します。

中古物件は償却期間が短くなる

中古の収益物件については、新築よりも価値が下がっていることから、耐用年数(減価償却期間)が短くなります。具体的には、以下の公式で求められます。

耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

(法定耐用年数を超えている物件の場合は「法定耐用年数×20%」で求めます)

例えば、築10年の鉄筋コンクリート(RC)造の場合、「47年-10年+10年×20%=39年」となり、新築よりも8年短くなります。

法定耐用年数が短くなるということは、1年分の減価償却費を新築より多く計上できるということ。つまり、新築より節税効果を高めることもできるわけです。

定額法と定率法

減価償却費の計算方法には、「定額法」と「定率法」があります。

定額法:毎年「同額」を減価償却費として計上

定額法は、毎年同じ額を減価償却費として計上していく方法です。例えば、新築で建物価格が4,700万円の鉄筋コンクリート造の場合、減価償却費は毎年約100万円となります。(実際には割り切れないこともあるため、償却率表を用いて計算します。また、最後の年度に1円だけ残します)

定率法:毎年「同率」ずつ減価償却費を計上

これに対して定率法は、毎年同じ率ずつ減価償却費を計上していく方法です。

定率法の特徴は、初年度の減価償却費を高く計上できることで、築年数が経つほど減価償却費が減っていくというところです。

これを利用して、節税効果を狙う不動産投資家のなかには、築浅のうちに売却するというオーナーも多くいました。

しかし、平成28年(2016年)4月1日以後に取得した収益物件の建物部分に関しては、「定額法」に一本化する税制改正が行われ、定率法での計上はできなくなっています。(建物の設備に関しては、確定申告の際に届出書を提出することにより、定率法での計上ができます)

減価償却から考える収益物件の売却タイミング

収益物件の売却は、「減価償却期間の終了」を基本戦略とするのが一般的です。

キャッシュフローを見ながら、そのタイミングをうかがう必要がありますが、正解はひとつではありません。

築30年の木造物件も減価償却できる

例えば、耐用年数を過ぎた築古物件であればどうなるのでしょうか?

中古物件の場合は県築年数に応じ、簡便法という計算方法を用いて、建物の耐用年数を算出しています。

法定耐用年数を全部経過した建物

耐用年数=法定耐用年数×0.2

法定耐用年数を一部を経過した建物

耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

つまり、築30年の木造物件であっても、減価償却は4年間でできることになります。

高年収のため、毎年の税金を軽減したい。そこで短期間での減価償却を行うべく、古い木造物件を購入。このようなケースも考えられるわけです。不動産投資にはさまざまな目的があることがわかります。

目的に応じた売却のタイミングを考えることが重要となります。

デットクロスと減価償却

また、売却タイミングを見極めるポイントとして、「デットクロスが発生する前に売却する」というものがあります。

デッドクロスとは、減価償却費よりも、金融機関から受けた融資の元金返済負担のほうが大きくなることを言います。節税効果は年々減っていく一方で、金利の上昇などによって元金返済が増えれば、キャッシュフローは当然悪化します。そうなる前に売却するのが得策になるという考え方です。

詳しくは「売却から考える収益物件減価償却のリスク・デットクロスとは?」のページでご紹介します。

当サイト監修
富士企画株式会社・株式会社クリスティ代表取締役 新川義忠

富士企画株式会社

新川 義忠_代表取締役

1972年、福岡県生まれ。収益物件の売買や運用を専門に取り扱う不動産会社、富士企画株式会社代表取締役、株式会社クリスティ代表取締役。現在までに3000件以上の物件売買に関わり、テレビ出演などメディアでの露出も多数。著書に『万年赤字物件を驚異の高値で売る方法』(幻冬舎)、『出口から逆算する“プロ”の不動産投資術!』『物件サポート3500人!事例で見る“勝ち組み大家”の法則』(ごま書房新社)。趣味のサーフィンは20年以上。

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