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売却から考える収益物件とは?

収益物件とは

収益物件を売却観点から見る

収益物件とは、アパートやマンション、テナントビルなどを入居希望者に貸し出し、その家賃から収入を得ることを目的に建てられた物件のことです。家賃収入に限らず、収益を得られるものはすべて収益物件です。コインランドリー・トランクルーム・太陽光発電施設なども収益物件に含まれます。

分譲マンションなどのように物件を売ったときだけしか収入(売却益)が得られない居住用物件とは異なり、収益物件は入居者や利用者が居続ける限り毎月一定の家賃収入(運用益)が得られます。また、建物の管理をしっかり行うことで長期的な運用も可能になります。

収益物件は人口が集中している地域に多く建てられます。入居者や利用者がいなければ収益が得られないからです。収益物件の売買も、都市部や地方の一部で活発です。

収益物件のタイプ

ひとくちに収益物件といっても、さまざまなタイプの建物があります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

住居系(レジデンス)

マンションやアパートから、戸建て賃貸まで人が住むすべての物件です。単身者向けのワンルームタイプや1Kタイプ、DINKsやファミリー層向け(2DK以上)のタイプなどがあり、入居者それぞれのニーズや立地環境に適した物件を購入・運用することで、長期的な収益確保を可能にします。

事務所系・テナント系

オフィスビルや商業施設の店舗、倉庫など、主に法人または個人事業主の入居者が事業目的で借りるために建てられた収益物件です。

住宅系に比べると賃貸期間が長期にわたる傾向があるため、より長期的な収益が見込めます。一方で、景気の影響を受けやすく、不景気の時期など空室リスクが高まる懸念もあります。

RC造や鉄骨造などの地震に強い物件は融資も付きやすいです。逆に旧耐震基準や狭小地に建てられた物件は安く売買されます。

テナント系

店舗付き住宅、店舗、商業施設、倉庫などです。駅からの距離や立地などで、需要がはっきりとしています。

過疎化した地域のテナント系物件にはなかなか買い手がつきません。

その他

コインランドリー、トランクルーム、太陽光発電投資、Airbnb、シェアハウスなどの物件も、運用益が見込める収益物件と捉えられます。立地がよいものは不動産屋だけではなく、個人投資家や外国人投資家も積極的に購入しています。

居住用物件との違い

収益物件も居住用物件も、見た目の外観などに大きな違いはありません。しかし、売却という観点から考えると大きな違いがあります。それは、物件の用途にともなう資産価値の算出フローです。

居住用物件は「自分で住むための物件」ですが、収益物件は「賃貸経営で収入を得るための物件」。売却する際には、物件の資産価値(売却額)の算出方法やローンの審査基準などの点で、居住用物件とは大きな差異があるのです。

資産価値の算出方法の違い

居住用物件がいくらで売れるのかを評価する際、その大きな要因となるのが売却取引事例です。

例えば、同じマンションの売却額や、近隣で条件が類似する物件の売却額など、これまでの売却取引事例と比べながら売却額を決めていくのが一般的です。こうした資産価値の評価法を、不動産用語で「取引事例比較法」といいます。

一方、収益物件の場合も売却取引事例も参考にされますが、これに加えて「その物件がいくらの収益を生み出せるか」という物件の収益性についても考慮し査定する必要があります。この評価法を「収益還元法」といいます。

収益還元法の計算方法には、「直接還元法」と「DCF法」という2つの計算方法が代表例となっています。

直接還元法とは

直接還元法とは、収益から経費などを差し引いた年間の純収益を還元利回りで割って、収益物件の評価額(収益還元価格)を求める方法です。

計算式は、以下の通りになります。

不動産価格(収益還元価格)= 年間の純収益 ÷ 還元利回り

具体的に、1年の収益(家賃収入)が120万円、経費が40万円、還元利回りが5%という収益物件があった場合、不動産価格は以下のようになります。

(120万円-40万円)÷ 0.05 = 1,600万円

なお実際には、近くの類似する物件の取引事例や、近隣にある収益物件の利回りデータも勘案したうえで決まります。

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)図

収益物件のうち賃貸マンション・アパートなどに関しては、収益還元法が合理的と考えられており、広く利用されています。

その収益物件を所有することで得られる純利益と、予想される売却額を現在の価格に割り引いた額の合計で不動産価格を算出する方法です。

「現在の価格に割り引いた額」と言われてもピンと来ないかもしれません。

例えば、いま収益物件で100万円の家賃収入が得られたとしても、将来も100万円の収益が得られ続けるとは限りません。

物件の資産価値は年々下がっていくわけですし、物価が高騰することも考えられます。

つまり、100万円という価値は将来下がることを前提に、割り引いて考える必要があるわけです。

この割引率をもとに算出していくのが、DCF法です。

計算方法が複雑なのでここでは割愛しますが、所有する物件がDCF法だといくらになるかは、信頼できる不動産投資の専門会社に相談しましょう。

積算評価と収益評価について

売却とともに新たな収益物件を購入する際、金融機関から融資を受ける方が大半だと思います。

金融機関では、融資対象となる収益物件について「積算評価」と「収益評価」という2つの評価によって融資額を決定します。

積算評価

積算評価とは、土地と建物それぞれの価値を合算して評価するもので、「不動産の資産価値」から評価額を算出する方法です。

収益評価

これに対して収益評価は、「不動産の収益性」をみて算出する方法。想定される家賃収入から支出を差し引いた額でローンの返済ができるか、という観点から評価されます。

どちらの評価を重視して融資額が決定するかは、金融機関や物件などによって異なりますが、最近は積算評価を重視する傾向の金融機関が多いといわれます。

いずれにせよ、不動産投資を続けていくうえで、金融機関からの融資は重要なファクターです。資産価値のある収益物件を選ぶことが融資額を増やすポイントといえます。

売却の観点から見る収益物件

収益物件を売却する際には、居住用物件とは物件の評価方法が違うことがお分かりになったかと思います。所有する収益物件の資産価値を念頭に置くことで、「いつ売れば利益を最大化できるか」といった売却のタイミングも図りやすくなるのです。

ただし注意点として、いずれの方法の場合も、予測の基礎となる表面利回りの妥当性が確保できていないと、予測も無意味になるため注意が必要です。収益還元法では過去の実績を基に計算するため、ある程度の信頼性は出てきますが、収益物件の利回りは、建物の設備や構造や築年数だけではありません。それらは地域性によっても相場が変動するためです。周辺の交通事情や開発計画などによって、空室リスクも変動します。家賃収入に影響が出る可能性もあります。

そのため、収益物件に関する多くの情報と、確かな相場観を持っていることが、正確な査定を行なう上で重要になります。専門的な査定が可能かどうかは、不動産会社の中でも収益物件に特化しそれらの情報に精通しているかがポイントになると言えるでしょう。

収益物件売却の目安

収益物件売却に関して、簡単な基準が欲しい場合、上記3つを目安にするとよいでしょう。

築年数

収益物件として売却される物件の築年数は、最低でも昭和57年以降の物件です。旧耐震基準が新耐震基準へと切り替えられたのが、昭和56年中頃です。ただし建物を建てるためには、設計と建築という期間が必要なため、昭和56年に建てられたものすべてが新耐震基準で建てられているとはいえません。設計と建築の期間を含めると、昭和57年を収益物件売却の目安として考えたほうがよいでしょう。

旧耐震基準で建てられた建物は、収益物件として売るにはかなり困難です。収益物件としてではなく、マンション用地や住宅用地として売却するのも方法の1つです。

構造

建物の構造によって、法定耐用年数が変化します。法定耐用年数とは、法定上の建物の耐用年数を指します。減価償却の計算期間でもあります。収益物件を売却する場合は、法定年数期間中をおすすめします。

1棟か区分か

1棟か1部屋かによっても、売却価格は変化します。

1棟を丸ごと買うよりも、1部屋を買った方が断然安いです。そのためはじめての投資では、1部屋だけを売却するマンションの区分売却をおすすめします。難点は銀行の融資が付きづらいところ。買い手には少しつらいところかもしれません。

逆に1棟からの売却であれば銀行からの融資もつきやすいです。

収益物件を買い取る場合の基準

収益物件を買い取りたい場合、下記3つの基準を吟味して物件を選ぶようにしましょう。

積算価値とは、土地と建物を合わせた価値のことです。収益物件は、入居者や利用者がいるからこそ成り立ちます。建物が汚かったり不便だったりすると、それだけ入居者や利用者が近寄りにくくなります。

また難ありや訳ありとされる下記の物件にも注意しましょう。

難ありか訳ありかの基準は、「変えられない欠点があるか」で考えてください。外壁の汚れは塗り直せば解決しますし、設備が古ければ買い直せます。

再建築不可の物件などはリフォームやリノベーションが行えません。また旧耐震基準で建てられた物件や隠ぺい率容積率オーバーの物件は、大規模な修繕工事が必要になります。

収益を目的として購入したにも関わらず、赤字を生んでしまってはしょうがありません。

当サイト監修
富士企画株式会社・株式会社クリスティ代表取締役 新川義忠

富士企画株式会社

新川 義忠_代表取締役

1972年、福岡県生まれ。収益物件の売買や運用を専門に取り扱う不動産会社、富士企画株式会社代表取締役、株式会社クリスティ代表取締役。現在までに3000件以上の物件売買に関わり、テレビ出演などメディアでの露出も多数。著書に『万年赤字物件を驚異の高値で売る方法』(幻冬舎)、『出口から逆算する“プロ”の不動産投資術!』『物件サポート3500人!事例で見る“勝ち組み大家”の法則』(ごま書房新社)。趣味のサーフィンは20年以上。

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